妄想ライオンズ:ライオンズの星


借金16で最下位。

出てくる話題は、山川のこととか、SNSでの騒ぎとか、明るい話のない週明けを迎えたライオンズ。

今日からの2連戦はアウエーで、本年、コテンパにやられているオリックスが相手。

オリックスは、すでに優勝後を見据えたかのように、新人のドラ1を先発に。

ライオンズは復帰後4連続QSと安定感のある松本航。


先発投手だけで見れば、かなり分のありそう試合なのだけど、

ライオンズはこの新人に対して、攻め口が見出せない。ランナーが出てもゲッツー、三振で、結局5回まで、1安打、2塁を踏むこともできなかった。

松本航は、好調のオリックス打線を、持ち前のストレートでしっかりと封じていただけに、

なんとも歯痒い展開。


そんな秋霞のような状態を、一気に切り裂き、

満天の秋晴れをもたらしたのは、ライオンズの若きニュースター達だった。


エラーの源田を1塁に残し、3番の蛭間が、初球、外角低めに落ちる難しい変化球を、

鮮やかに三塁頭上へ打ち返す。

何もこんなに難しいボールを初球から狙っていたわけではあるまい。

自然と体が反応したのだろう。

天才的なバットコントロールで弾かれた強いライナーは、サードの宗の頭上をこえ、

レフト線を鋭く転がっていく。

レフトは杉本だ。

抜けた瞬間に、ランナーの源田は

「必ずホームまで行く」

と決めていたと思う。サード手前で全く減速することなく、一気にホームを駆け抜ける。

打つ蛭間は天才的、走る源田も天性の走塁センス。

ライオンズの新旧スターが躍動する。


オリックスの阿部には、明らかに落胆の色があった。

そして、この日3三振、まるでタイミングの合っていない4番の渡部。

しかし、その渡部には、本日3三振など、歯牙にもかける様子もなかった。

この二人の対比で、すでに勝負は決まっていた。

追い込まれてからの4球目のスプリットをなんとかくらいつきファールにすると、

5球目、そのストレートは、外角の要求のはずだったが、

魅入られたかのようにど真ん中に吸い込まれる。

そして、我らの新しき4番が、完璧に捉え、レフトスタンド中段へ、

まさに、花火のような、綺麗な綺麗な弾道を描いて放り込む。

試合を決める一打を打ち込んでみせた。


カード負け越しが続き苦しい状態、愉快でないファンの心を、一気に晴らす二人の快打に、

ライオンズファンの多くが、将来の躍動を感ぜずにはいられなかったはずだ。


新しいライオンズの、新しい躍進のための、二人のニュースター。

彼らの躍動は、もう始まっている。

inokichi`s work(ラグビーとライオンズと小説)

自分の中には、自分の言葉では表すことのできない自分がいる。でも僕は、その自分を抉り出し、その自分を白日の元に晒さなければならない。あるいはそれは僕自身を破滅に追い込むのかもしれない。しかし、あるいはそれは、世界を救うのかもしれない。 サイトのフォローをいただけると、とても嬉しいです。コメントをいただけると、真剣にお返事します。

0コメント

  • 1000 / 1000