與座→平井→増田の完璧な投手リレーが日ハムを0封し、巡ってきた9回の裏。
源田がしぶとく右手一本で転がして、内野安打を掴み取る。
鈴木将平が、きちんと監督の作戦を遂行してみせる。
1死2塁のさよならのチャンスに回ってきたのは、来月40歳の4番の中村。
誰もが申告敬遠で塁を埋めると思った。
しかし、この日の彼の3打席はさんざんだった。
上沢のフォークとカーブなど、縦への変化にいいようにやられ、
どん詰まりのサードゴロ、併殺打に三振だった。
その打席の内容の悪さが、日ハムベンチを迷わせる。
「ランナーを詰めた方が、投手が攻めにくなるのではないか」
「今日の中村なら池田のストレートと変化球で抑えられるのではないか」
という思いがよぎったはずだ。
日ハムベンチは中村との勝負を選択する。
ランナーはセカンドだ。外野は極端ではないものの、定位置よりも前に出てくる。
案の定、初球の真ん中付近の149kmのストレートに空振りをする。
同じような高さのカットボールは見送った。
1ボール2ストライク。
しっかり低めに変化球を放り込めば、ゴロを打たせられるはずだった。
その4球目のカットボールは、わずかだけ、高い。
どんなにこの日の打撃内容が悪かろうが、
この場面で、そんなことを引きずる彼ではない。
体を前に出し、なんとしても捉えるんだという気持ちを全面に、少しバランスを崩すしながらも、
コンパクトに振り切る。
外野が前に来ていることは当然見ている。
ホームランはいらない。頭を越えればいい。
その思いが、前進守備の外野を超えていく。
最後は獅子の頼れるベテランが決めた!✨
— パ・リーグ.com / パーソル パ・リーグTV【公式】 (@PacificleagueTV) July 15, 2023
埼玉西武 #中村剛也 選手のサヨナラタイムリー!🔥
これでチームは4連勝!👏 #seibulions @lions_official pic.twitter.com/cfrFbCgq8i
勝負や小さな綾に引きずられている。
もしも、中村がこの日調子が良ければ、100%歩かされた場面だ。
しかし。
どんなに調子が悪かろうが、ここ1番で、気持ちを切り替えられる。
そんな場面は、100も通り越してきた。
4連勝。5位の日ハムに0.5ゲーム差。
オールスター前、一気に巻き返す。明日は高橋光成。エースがこの波を、大波に変えていく!
0コメント