ハセシンのリベンジと覚醒!


ライオンズに久々の連勝をもたらしたのは、今井の力投であり、源田の守備であり、

マキノンや外崎の粘り強い打撃だけれども、

今日は、二軍から戻ってきた長谷川信哉の存在が際立った。


7月1日のベルーナドームでのソフトバンク戦。

0-4の劣勢から、渡部の1発から息を吹き返し、一気に6回に逆転をした。

その後の7回、1死3塁。ランナーは周東。

野村の打球は、明らかに浅かった。

流石の周東でも、センターの長谷川も強肩だ、自重すると思われた。

しかし、彼は勝負をかける。

ギリギリのタイミングで離塁すると、センターの長谷川からのバックホームが少し高めに来ることを見越し、

低いスライディングで、キャッチャーのタッチを掻い潜る。

芸術的なランニングと言えるが、長谷川の負け、と言える攻防だった。

そして、同点の10回表には、緩慢なプレーで、センター前ヒットの処理を誤り、2塁打にしてしまい、

そのランナーが決勝のホームを踏む。


彼は、この一連のプレーの懲罰とも言える処置で、7月3日に二軍に抹消された。


それから10日。最短で彼は戻ってきた。戻されてきた。遠征中の北九州へ。

リベンジの機会は、5回に訪れる。

4、5番が繋いで作ったチャンスを、6番の山野辺が送れない。

チャンスが潰えたかに見えたその初球を、強くセンターに叩く。

反撃の口火を切るツーベースを放つ。そして、山野辺を救う。


しかし、彼に浮ついた表情はない。引き締まった表情で、ベンチを見る。

そして、リードを2点に広げた7回。

尻上がりに調子を上げた今井が、9番の甲斐に粘られて痛打される。

センター前に落ちると思われたその打球を、彼は、正面から意図的に体をずらし、

ドライブするボールを、斜めにグラブを出すことで、捕球しやすくする形で、スライディングで、

グラウンドから10センチ程度のところで捕球する。

プレーも素晴らしいが、なんといっても、

その後の、表情が素晴らしい。

笑顔もなく、はしゃぐこともなく、強い視線で、投手の今井のエールに応える。

「これは、取れるボールだから」

と言わんばかりに、当たり前風を吹かせるその姿は、

育成から上がってきて、がむしゃらに一軍をこなしている姿から、

自分が外野を引っ張る存在になるのだという、強い自覚を感じさせる。


ボーンヘッドでの二軍落ちが、彼を強くした。

プレーを強く、心を強くして、彼は帰ってきた。

ライオンズに、たくましい外野の柱が生まれようとしている。


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inokichi`s work(ラグビーとライオンズと小説)

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