妄想ライオンズ:隅田が作った初回の空気感


佐々木朗希がベルーナドームに初登場。注目を集めて、連休の真ん中のスタジアムは満員。

しかし、今日の主役は、その佐々木を迎え撃つ、2年目の隅田だった。


スタンド全体の注目が、佐々木に集まる中、その前座とばかりに出てきた初回。

150キロに迫るストレートと、チェンジアップをしっかりコンビネーションし、

荻野、中村、石川を、3者三振に切ってとる。

ストレートでおし、チェンジアップ、スプリット、そして大きな大きなカーブ。

この初回、隅田は、まさに自分の持ち味を活かして、ロッテの1−3番を、文字通り「圧倒」する。

それは、これから出てくる佐々木に対して、

「俺も見ろ」

とばかりの圧巻の投球を披露する。



この隅田の作った空気感が、佐々木朗希のリズムを狂わせる。

初めてのマウンド、異様な暑さのベルーナドーム。

そして、隅田の作った空気感。

球場に、「番狂せ」の期待感が漂う。

簡単にツーアウトを取るも、好調の佐藤龍を歩かせてしまい、

そして、4番に座った40歳、栗山に3ボール1ストライクから、直球を弾き返される。

あわやホームランという打球は、ライトが上手に処理をし、ランナーは返さない。

しかし。

これで、ベルーナドームの空気は決定する。

佐々木への期待感から、佐々木から点を取る期待感へ、明確に空気が変わる。


明らかに心情穏やかでない様子が顔にでる。

ボールは明らかに抜けている。

愛斗に当ててしまい、

ベッケンには、追い込んでから、ストレート、スライダー、フォークを全て当てられ、

我慢しきれず、11球目を、彼の大きなお腹に掠らせてしまう。

押し出し。

スタンドは沸騰する。

次の外崎は、ここ2試合で三振が8つ。

しかし、真ん中に3つもボールが集まれば、さすがに弾き返す。

3球目の真ん中のストレート、157キロをライトに持って行かれて3点目が入る。


さらに、試合の流れを決定づけたのが、隅田の2回の表。

3点をリードしたその次の回を、

彼は再度、三者凡退で切って取る。

反撃を目論むロッテ打線に対して「これは難しい」という印象を決定づける。



試合は、最後の最後にもつれたものの、隅田の好投を活かして、ライオンズが勝利に結びつける。

隅田は9勝目。佐々木と投げ合って、負けなかった、いや、

彼のピッチングでしっかりと勝ちを手繰り寄せた今日の試合は、

さらに彼の自信を加速させるはず。

リーチのかかった次の1戦で、1発で10勝に乗せてくれるはず!!


inokichi`s work(ラグビーとライオンズと小説)

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